「~みたい」「~ようだ」「~らしい」「~っぽい」の違い◆使い分けのポイント

ある日の午後
助手
今日のおやつはおいしかったな~
ただのスープみたいな見た目だけど
まるで高級まぐろのような味わい・・・(*´з`)
助手
食後はもちろんお昼寝タイム♪
おいしいご飯を食べて寝るだけなんて
なんだかセレブっぽい(#^.^#)
おやすみ~
助手
zzzzZZZZZ
K
寝るの早っ!!
あなたは気ままに暮らして

本当に猫らしい猫だね。

上の会話で出てきた「~みたい」「~ようだ」「~らしい」「~っぽい」

この4つの表現は、ニュアンスは似ていますが、決定的な違いがあります。

それぞれ、伝聞や推測の意味もありますが、こちらの記事では≪比喩≫しての使い方の違いを説明していきます。

 

まず、使い分けるうえで1番大切なポイントを言っておきます。

それは、実際に「~」であるかどうかというポイントです。

では、これから詳しく説明していきます。

 

「~みたい」について

 

「~みたい」の接続

名詞 + みたい
動詞<辞書形・た形・ている形> + みたい 

 

「~みたい」の意味

実際に「~」ではないが「~」に似ているときに使います。

つまり、何かを他の名詞や動作に例えて言う比喩表現です。
こちらの記事でも「~みたい」について解説しています。)

 

「~みたいだ」は話し言葉的表現で、類似表現の「~ようだ」よりくだけた表現カジュアルなイメージがあります。

なので、会話でよく使われます。

 

「~みたい」の例文

例えば友だちとの会話で

「見て。あの雲ハートみたい。」

というと、雲がハートの形に似ているという意味です。

 

他にも

  1. お母さんみたいに料理が上手になりたい。
  2. この豆腐はプリンみたいな食感だ。
  3. 何この部屋!?泥棒が入ったみたいに散らかっているじゃない!
  4. あの一流企業で働けるなんて夢を見ているみたいだ。

など名詞に続いて他の名詞に例えるときと、動詞に続いて動作に例えるときに使います。

 

「~ようだ」について

 

「~ようだ」の接続

名詞+ ようだ
動詞<辞書形・た形・ている形> + ようだ 

 

「~ようだ」の意味

「~ようだ」も「~みたい」と同じく、

実際に「~」ではないが、「~」に似ているときに使います。
こちらの記事で「~ようだ」について解説しています。)

 

「~みたい」も「~ようだ」も、他の名詞や動作に例えて言う比喩表現ですが、「~ようだ」は「~みたい」より硬い表現でフォーマルなイメージがあり、どちらかと言うと書き言葉でよく使われます。

 

つまり、「~みたい」と「~ようだ」の大きな違いは、

「書き言葉(文語)」で使うか「話し言葉(口語)」で使うかという違いです!

 

「~ようだ」の例文

例えば、「~みたい」で紹介した例文

「見て。あの雲ハートみたい。」

は、雲がハートの形に似ているという意味で、会話的表現でした。

同じ雲を見て、

「あの雲はハートのようだ。」

と言うと、硬く聞こえ、書き言葉的表現になります。

 

他にも

  1. 彼は、子どものように泣いた。
  2. 今日は夏のような暑さだ。
  3. 姉は目を開けたまま寝ている。まるで起きているようだ
  4. あの人は息をするように嘘をつく。
  5. 息子は転職してからというもの、人が変わったようにいきいきと働いている。

など名詞に続いて他の名詞に例えるときと、動詞に続いて動作に例えるときに使います。

 

 

「~らしい」について

 

「~らしい」の接続

名詞 + らしい

 

「~らしい」の意味

「~らしい」は実際に「~」であり、「~」の特徴が強く表れているときに使います。

つまり、「~」の典型であるということを言います。

 

例えば、「ケン君は本当に男らしいわ!」と言うと、ケン君は実際に「男」であり、「男」の特徴が強いと感じたときに使います。

 

ちなみに、日常会話でよく使われる「男らしい」のイメージとしては、

外見的なもので言うと、

  • 「筋肉がある(マッチョ)」
  • 清潔感がある」

がよく挙げられ、

性格的なもので言うと

  • 「守ってくれる」
  • 「強い」
  • 「レディーファースト」
  • 「細かいことを気にしない」
  • 「頼れる」

などが挙げられるようです。(※「男らしい男性」での検索結果)

 

今はジェンダー問題もあるので減ってきたように思いますが、以前は男の子が泣いたとき、

「お前は男だろ!男らしくないから泣くな!」

と怒る人が多くいたのですが、これは「男」=「あまり泣かない」というイメージが強かったためです。

 

逆に「女性らしい」のイメージとしては、

外見的なもので言うと

  • ふっくらした柔らかな体」
  • 「きれいな肌」
  • 「長い髪」

などがよく挙げられ、

性格的なもので言うと

  • 「やさしい」
  • 「明るい」
  • 「かわいい」
  • 「控え目」

などが挙げられるようです。(※「女性らしい女性」での検索結果)

 

私個人の意見としては、女性らしさを強く感じるポイントは、話し方しぐさです。

 

「~らしい」の例文

  1. うちの息子は、素直で無邪気で、本当に子どもらしい子どもだ。
  2. 10月に入って気温も下がり、秋らしい気候になってきた。
  3. いつも元気なミカちゃんが、今日は朝から元気がない。ミカちゃんらしくないね。
  4. うちの犬は、散歩も嫌いだし人にもなつかない、犬らしくない犬だ。

 

「~っぽい」について

 

「~っぽい」の接続

名詞 + っぽい

 

「~っぽい」の意味

実際には「~」ではないが「~」のように感じるときに使う表現です。

 

例えば、「ケン君は女っぽいね。」と言うと、ケン君は実際には「男」ですが、「女」のように感じるときに使います。

 

「女っぽい男性」のイメージとして、

  • 「ネチネチしている」
  • 「すぐ泣く」
  • 「決断力がない」

などのネガティブなイメージのものが多いのですが、最近ではいい意味で、

  • 「流行に敏感」
  • 「スイーツが好き」
  • 「美意識が高い」

などがよく挙げられるようです。(※「女っぽい男性」での検索結果)

これらのポジティブなイメージの「女っぽさ」は女性にとっては価値観が合うと捉えられ、最近はいい意味で女っぽい男性がモテるようです。

 

逆に、「男っぽい女性」の特徴としては、

外見的なものでは

  • 「パンツスタイルが多い」
  • 「ショートヘア」
  • 「化粧が薄い」

などがよく挙げられ、

性格的なものでは

  • 「あまり悩まず決断力がある」
  • 「サバサバしている」
  • 「細かいことを気にしない」
  • 「自立している」
  • 「気が強い」

などがよく挙げられるようです。(※「男っぽい女性」での検索結果)

 

「~っぽい」の例文

  1. 僕の彼女は、口うるさくて心配性で世話焼きで、母親っぽい性格だ。
  2. 私の父は、ゲームで負けただけで怒ったり、お腹がすくとイライラしたり、子どもっぽいところがある。
  3. あの子はまだ中学生なのに大人っぽい

 

まとめ

以上、「~みたい」「~ようだ」「~らしい」「~っぽい」の大きな違いは、

【実際に「~」であるかどうか】そして【話し言葉なのか書き言葉なのか】

というポイントにあります。

 

「~みたい」:実際に「~」ではないが「~」に似ている。《カジュアルで話し言葉的表現》
「~ようだ」:実際に「~」ではないが「~」に似ている。《フォーマルで書き言葉的表現》
「~らしい」:実際に「~」であり「~」の特徴が強く表れている。《話し言葉&書き言葉
「~っぽい」:実際に「~」ではないが「~」の感じがする。《話し言葉&書き言葉

 

これらの違いをしっかり頭に入れて、問題に挑戦してみましょう。

 

練習問題

(  )に入るのは「~みたい」「~ようだ」「~らしい」「~っぽい」のどれですか。

  1. この1週間ずっと雨が降り、じめじめしていて、梅雨(      )日が続いている。
  2. このモデルの女性(      )髪型にしてください!<美容院での会話>
  3. 普段は泣かない彼が、まるで子ども(     )泣いた。<小説の中の一文>
  4. A:この服どう思う?
    B:可愛いけど、少し子ども(    )かなぁ?

 

 

答え:①らしい  ②みたいな  ③のように  ④っぽい