日本語でドラマや映画を見たときや、日本語で会話するときに必ずといっていいほど耳にする「~~ね」「~~よ」「~~よね」などの終助詞。
終助詞とは、文のいちばん最後(文末)について、その文を言うときの話し手の気持ち示す助詞のことで、使う終助詞によって文に様々な意味をプラスすることができます。
日本語学習者の中には、この終助詞の使い方がいまいち理解できず、いざ使ってみようと思ってもこの文ではどの終助詞を使えばいいのか混乱してしまう人も多くいます。
この終助詞というのが厄介なもので、文末にちょこっとつくだけなのに、間違えて使ってしまうと、聞き手が「あれ?」となるような文になってしまうし、だからといって使わないでいると、冷たい感じのする単調な文になってしまうのです。
よく使う終助詞として、「か」「ね」「よ」「よね」があります。その他にも「な」「ぜ」「ぞ」「わ」「かな」「の」「さ」などもあります。この記事では、よく耳にする11種類の終助詞それぞれの意味や特徴、例文を紹介していきます。
「か」
「か」:疑問・発見・自分の決心
「か」は最もよく使う終助詞の1つで、疑問の用法で使うときは、
- 外は暑いですか?
- 大丈夫ですか?
- トイレはどこですか?
- 宿題はしましたか?
- 来週の会議は出席できますか?
など丁寧形(です・ます)にくっついて、疑問を表します。
普通体で聞くときは、
- 外は暑い?
- 大丈夫?
- トイレはどこ?
- 宿題はした?
- 来週の会議は出席できる?
など、「か」を使わずに質問するのが一般的なので、注意が必要です。
他の用法としては、以下のようなものがあります。
例文
- こんなところに、コンビニができたのか。 発見
- もう木曜日か。 気づき
- よし、行くか。 決心
- そろそろ本気で英語の勉強を始めるか。 決心
「ね」
「ね」:確認・同意・共感・感嘆
例:今日ね、仕事中にね、お客さんがね、高級食パンくれたよ!
例文
- 今週、花火がありますね。(相手も知っているであろうことを話題に出すときは「ね」を使う)
- 今日部長はお休みだよね? 確認
- 確かにN1は難しいですね。 同意
- A:このお店のコーヒーおいしい!
B:ね!おいしいね! 共感 - すごいねぇ!
きれいだねぇ! 感嘆
「よ」
「よ」:主張・明示・注意喚起・情報提供
聞き手が知らないであろう新しい情報を伝えたり、話し手自身の判断と意見を強調したり、相手に注意を促したりします。
例文
- その仕事は僕が担当しますよ。 主張
- 部長は今出張中ですよ。 明示
- あまりお酒飲みすぎると体壊しますよ。 忠告・注意喚起
- あのパン屋は人気だから朝早くに行った方がいいですよ。 助言
- 駅前に新しい居酒屋ができたんですよ。 情報提供
「よね」
「よね」:同意・確認
「よ」の主張と「ね」の同意・確認が合体したもので、聞き手に配慮しながら同意・確認するときに使われます。
例文
- あそこのケーキ屋さん、おいしいですよね。
- すみません。私たち前にどこかで会いましたよね?
- 来週の木曜日、会議ですよね?
「な」
「な」:禁止・くだけた命令・願望・感嘆(独り言)
例文
- 仕事中に寝るな。(⤵) 禁止
- 言い訳をするな。(⤵) 禁止
- 疲れているなら、ゆっくり休みな。(⤴) くだけた命令
- 何があったか話してみな。(⤴) くだけた命令
- 私も海外旅行行きたいなぁ。 願望
- 桜がきれいだなぁ。 感嘆(独り言)
【確認の用法】
- 何が言いたいか分かるな?
(「よね」?と同じ用法ですが、「な」の方が高圧的で強く聞こえます。男性は「な」を使う人が多く、「脅し」のように使うことも多いです。) - 今日中に仕事終わらすって言ったな?(「言ったよね?」☞「終わらなったら怒るよ」の意味)
「ぜ」
「ぜ」:主張・明示・決意表明・勧誘
例文
- 俺はちゃんと宿題出したぜ。 主張
- 公園でだれか喧嘩してるぜ。 明示
- 絶対この試合に勝ってやるぜ。 決意表明
- 明日海に行こうぜ。 勧誘
「ぞ」
「ぞ」:強い主張(主に男言葉) ※「よ」とほぼ同様
例文
- よし、今日は飲みに行くぞ。 勧誘
- 時間があるうちに勉強しておいた方がいいぞ。 助言
- これ以上暴れるなら警察呼ぶぞ。 脅し・忠告
- そろそろ怒るぞ。 脅し・忠告
(「これから怒ろうとしている」という自分の状況をあえて伝えることで、間接的に相手に感情を表現して脅している)
「わ」
「わ」:主張・話し手の意見・感情
例文
- いいわ。(わかったわ。)
(「いいよ=OK!」のように100%の納得ではないが、「とりあえず私は納得しました=Fine.」というニュアンス) - 雨が降ってきたわ。 主張・明示
- 日本語って本当に複雑だわ。 話し手の感情
- 俺だってちゃんと仕事してるわ! 主張(怒ったときに使って、乱暴な感じがする)
また、方言によっては文末に使って、「です」と同様に使うところもあります。
「かな」
「かな」:疑問(確証がないものに使う)・独り言
一方、「かな」は英語で考えると” I wonder / I guess”のニュアンスで、「よね」の “~~~,right? ” よりも確証がないときに示します。
例文
- 駐車場に車が一台もないし、お店の電気もついていない。今日はお休みかなぁ。 疑問
(「今日はお休みよね?」は、以前に今日がお休みと聞いていたが、はっきりと覚えていないから再確認する、というニュアンスがある。) - 今日は雨かな? 疑問(曇っていて雨が降りそうだが、はっきりと確証がない)
(「今日は雨よね?」は、天気予報で言っていたり、誰かから聞いていたが再確認する、というニュアンス。) - 今日の夕飯は、パスタかな。独り言(パスタを作ることを決定。)
同じ疑問の用法でも、独り言では「かな」、人との会話では「かね」を使うことが多い。
「の」
「の」:疑問&確認
より詳しい状況を求めたり、再確認や驚きを表します。
「~ですか?」は全く無知な状態で質問をするニュアンスがありますが、「~なの?」は、状況や様子から何かを察し、それを再確認したりより詳しい情報を引き出すために使うニュアンスがあります。
例文
- 今日は学校休みなの?(もう10時なのにまだ家にいる状況から、今日は休みかと疑問に思って確認する)
- コーヒー好きなの?(相手がコーヒーをおいしそうに飲んでいるから好きなのかと疑問に思って確認する)
- どうしたの?寒いの?(相手が寒そうにしているから確認する)
- え、冷蔵庫の中のケーキ勝手に食べたの?!(冷蔵庫にあるはずのケーキがないから驚いて聞く)
- 私、実は料理苦手なの。(⤵)
※下がり口調で使うと、「~んだ。」と同様に使われることもあるが、女性がよく使うイメージがある。
「さ」
「さ」:軽い主張・間投助詞
例文
- 彼なら勝つさ。
- どうにかなるさ。
- 頑張ればきっと願いは叶うさ。
文末に使うと、「よ」と似ていますが、「さ」の方が少し投げやり(他人事)で無責任な感じがします。
間投助詞としての「さ」
※主に男の人が使う「よ」もあるが、「ね」と「さ」が一般的である。
例:今日ね、駅前でね、中学校のときの同級生に会ったの!
今度さ、クラスのみんなでさ、花見するんだけどさ、よかったら来ない?
まとめ
- 「か」:疑問・決心
- 「ね」:確認・同意・共感・感嘆 ◆間投助詞
- 「よ」:主張・明示・情報提供・注意喚起
- 「よね」:同意・確認
- 「な」:禁止・くだけた命令・願望・感嘆(独り言)
- 「ぜ」:主張・明示・決意・勧誘
- 「ぞ」:強い主張・明示・脅し
- 「わ」:軽い主張・明示・話し手の意見・感情
- 「かな」:疑問・独り言
- 「の」:疑問(&確認)
- 「さ」:軽い主張 ◆間投助詞
このように、それぞれの終助詞に特徴があって、使う人の性別や年代によっても終助詞は変わってきます。
特によく使う「か」「ね」「よ」「よね」の特徴はおさえておきましょう(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾